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~放課後の教室~
高橋
「あぁ~なんで女の子じゃなかったかなぁ~」
竜崎
「くでえぞススム。あとよ、あの転入生にゃ絡むのやめとけ」
高橋
「あ?なんで」
竜崎
「見た目こそ普通に見せてっけど、俺にはわかる。奴は俺らと同じ種類だ。雰囲気からすると相当なやり手だ」
高橋
「ま、マジで?たけちゃんが言うほど?」
竜崎
「俺にはわかる」
高橋
「な、なにもんだあいつ…」
竜崎
「それより早く行ってやろうぜ。ケンが病院で待ってる」
高橋
「おうおう!そだな!今日はケンのためにエロ本買ってきてやったんだ」
竜崎
「おめえの好み押しつけんじゃねえぞ」
高橋
「ダイジョブダイジョブ。ケンが好きそうなの選んだよちゃんと」
竜崎は確認することをあえてやめておいた。
ケンこと若林憲吾が入院する釜崎大学付属病院は、樹ノ下高校から徒歩15分の場所にあった。ここ数日、竜崎と高橋は放課後になると毎日、若林の見舞いに通っていた。その近さゆえに見舞いに通ってやっているわけではない。樹ノ下高校二年の頭でもある喧嘩199戦無敗の竜崎武司。彼が若林を自身の右手と認めているのだ。
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