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飛鳥は駅周辺をプラプラ歩いていた。まずは都会のリズムと雰囲気を体に馴染ませたいのだ。野生のキツネなど出るはずもない灰色の街の中を、キョロキョロキョロキョロ渡り歩いていく。
飛鳥
「(それにしても…ほんとにオシャレで綺麗な人ばっかだなぁ。やっぱこんだけ都会だと私立校も多いんだろうな~)」
北のド田舎から来た飛鳥にとって、首都闘京はまさに異国の地。自分だけが浮いているような気がしてならない。
飛鳥
「(こんだけ人多いと逆ナンなんてされちゃったりして)」
女性
「少しお時間よろしいですか?」
飛鳥
「(ほんとに来たよ!)」
突然パンツスーツをピシッと着た女性に話しかけられた。歳は20代半ばくらいだろうか。くっきり垂れ目が優しい印象を持たせる。
女性
「学生の方を対象に調査をしております。軽いアンケートにお答えしていただけますか?」
飛鳥
「あんけえと?おおお、おう。いいですよ、いいぜべべべ別に」
綺麗な女性と話すのが大の苦手な飛鳥だが、逆ナンされたつもりでいる彼はとにかくこの状況を喜んでいる。
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