10人が本棚に入れています
本棚に追加
飛鳥
「(なんか…質問が重くね?なんのアンケートだこりゃ)」
飛鳥は『特になし』という言葉だけで紙を埋めた。と同時にアイスコーヒーを店員が運んで来た。
飛鳥が書き終えた用紙をじっと読む女性を、ズズッとコーヒーを啜りながら見つめる。綺麗な人だ…思わずため息が出る飛鳥。
女性
「かわいそうな人…」
飛鳥
「へ?」
女性
「あなたは自分の身に起こるツラいこと悲しいことを否定し、認めず、自分は満たされていると思い込んでしまうタイプの人なんですね!」
飛鳥
「え…いやそんなことないと思うんスけどへへっ」
飛鳥は意味なくだらしなく笑った。
女性
「いいえ、そうです絶対そうです。そうに決まってます。私について来てください。あなたの…力になりたい」
飛鳥
「お、俺の…ゴクリ」
『ついて来て』『力になりたい』というワードに、ドキドキと心拍数が上がってゆく飛鳥。
飛鳥
「(よくわかんねーけどこのお姉さんとまだ一緒に居られんならついてこ)」
そしてまたリードに引っ張られて飛鳥は彼女について行く。
コーヒー代はもちろん彼女が払ってくれたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!