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『前の部屋よりは良いだろう。
君の生きている時の部屋を再現しておいた。
神様より
』
改めて部屋を見渡す、どうみてもそのまま僕の部屋だ。
なんだかすごく懐かしくなった。それと同時にもう家族に会えないような気がして、辛くなった。
一度、辛くなると、今まで貯めていたいろいろな感情が溢れてきた。
これからの不安、自分が死んでしまった事や家族に会えない悲しみ、事故を引き起こしたトラックの運転手への怒り、様々な感情は僕の涙となり、目から溢れだす。
頬から滴る涙に気付いたリズさんは僕に近づき、黙って僕の頭を優しく撫でる。
「お父さんとお母さんに…会いたいよ…。寂しいよ。
なんでこうなったゃうの。もっと、友達と遊びたかったよ…。」
「…………私は翔君とは血がつながっていませんが、せめて私をお姉ちゃんだと思ってください。
それで翔君の寂しさが紛らせるなら…。
それに翔君のご両親に会えないこともないですよ。私と一緒になら人間界に降りることが出来ます。」
その後も僕は黙って泣きながら、リズさんに頭を撫でられていた。
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