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目が覚めたらまったく知らない場所にいた。
誰だって事故に遭って、目が覚めたら病院でもない、まったく知らない場所にいたら焦ると思う。
ここには今、僕が寝ていたベットと、その横に置かれた背もたれの無い4脚の椅子、引き出しが3つある箱、扉だけしかない部屋にいた。
それにこの部屋の色が更に僕の不安をかき立てた。
この部屋は白色しかないからだ。壁も床も天井もベットも椅子も箱も扉も全部が白一色だからだ。
余りの気味の悪さからの焦りで、ベットから起き上がった僕は唯一、この部屋の中で白くないものを見つけた。
自分の服は事故に遭った時のままだった。
その事になんとなく不安が和らいだ僕は、今の状況を考えてみる。
事故に遭った僕は誘拐されたのかな?それとも、このような病院なのかな?
いろいろ考えてみたけど病院はなさそうだ。ベットに名札が付いているいないし、看護士さんを呼ぶボタンも見当たらない。
よく部屋を見渡したら窓が無い事に気付いた。これじゃあ部屋の外がどうなっているか解らない。
次はベットのそばに置いてある大体70cm位の高さの箱をを調べてみる。
下から一段目は……何もない。
二段目は……何もない。
三段目は……やっぱり何もない。
三段目を閉めたところで扉のドアノブが回る音がした。
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