カエルとお姫様

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緑葉から陽光が漏れる。 光は水面に反射し、一人の少女を照らす。   気品に満ちた顔、白いドレスに身を包み、誰もが目を引くブロンズの髪を揺らし少女は歩いていた。     「お姫様、お姫様」 どこからか男性の声がする。 しかし、辺りを見回せど人影は見つからない。 「どこにいるのですか?姿が見当たりません」   「お姫様、私はここです」   その声は下から聞こえた。   小さな木の枝、その先にまた小さな緑のカエルがいました。 「私が貴女を呼びました」   驚くことにその声は、カエルから発声されているものでした。   少女は透き通るような白い手で、カエルを持ち上げ顔のそばに寄せる。 「何故貴方は、私を呼んだのですか?」   「私は困っているのです」   唐突にカエルはそう言った。 「貴方は何に困っているのですか?」   「私は見ての通りカエルにございます。しかし、哀しいことに私は泳ぐことができないのです。どうにかできないでしょうか?」   「それならば私がキスで泳げられる魔法を掛けて上げましょう」   「ウホッ!マジで!?ササッぶちゅっとお願いしますよ!ぶちゅっと!」 「今から貴方を湖の真ん中に投げてあげましょう。それで生き残れたら泳げると思いますがいかがでしょう」   「ゲロゲロ、僕は泳げないカエルだよー」   手から飛び出し、そのまま森のほうへと跳ねていきました。   少女は、誰もが目を引くブロンズの髪を揺らし歩いていきました。
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