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店を出てから、どうやってマンションまで帰ってきたのかわからない。
ただ、ぼーっと歩いていたのだろう。
ロックを解除しようと、エントランスに立ったとき、後ろから急に抱き締められる。
『ッ…‼‼』
恐怖が込み上げてきて、声が出ない。
『こんな時間に歩いて帰ってくるなんて、無防備にも程があるよ…沙羅』
よく知っている、愛しい声主が私の私の首筋に、チュと口付ける。
『…はる、き…?』
『正解』
くすっと笑う声が聞こえたと思うと、
『中に入れてくれないワケ?』
あぁ…また私は自分で自分を苦しめてしまうのだろう。
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