春樹と沙羅

16/19
前へ
/73ページ
次へ
『それにしても、帰り遅かったな。どっか行ってた?』 買ってきてくれたお酒もなくなってきて、冷蔵庫に入っていたチューハイもなくなる頃、春樹は思い出したように言う。 『え?…あ…うん。伸之クンと飲んできたたから…』 春樹以外の人と飲みに行ったのがなんとなく後ろめたくて、言葉に詰まる。 『…ふ~ん。』 少し不機嫌そうな春樹を横目に見ながら、最後のチューハイを飲み干す。 『あいつ…お前のこと好きだぜ?』 『……知ってる。さっき…告白されたから。』 『…』 『…』 流れる沈黙は何を意味しているのだろう。 春樹は…何を考えてる? 『お前は…』 沈黙を破ったのは春樹。 『お前は、俺だけを見てればいい…』
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

593人が本棚に入れています
本棚に追加