第一章

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  岩だらけの山道を抜けて裾野(すその)を離れ、車は通勤ラッシュのはるか以前に国道を北進してゆく。 途中なんどか地元の電波にくわしい連中から聞いたところでは、どうやら数十キロまで良好に電波を飛ばそうすると、うまくすれば日本中どことでも話しができるらしい。 低出力電波は影響がなく、高出力電波が猛烈に混信しはじめるということは、つまり、どこか遠くで電波を跳ね返すシロモノがあるということだ………もしあるとすればただひとつ、それは空のむこうにあるはずだった。  
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