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昨夜は遅くまで雨が降っていたけれど、今朝は雲ひとつない澄みきった青空で。
歩道の水溜まりがキラキラと輝き、美音子ちゃんの足元を素敵に演出している。
これから学校に行く美音子ちゃんは、ふと思い出したように立ち止まって振り返り、3階のベランダから見送る僕に向かって笑顔で手を振った。
僕は照れて頭を掻くと、水溜まりを踏まないように気をつけながら歩く美音子ちゃんが路地を曲がって見えなくなるまで、制服の後ろ姿を見つめてた。
こんなに爽やかな朝だもの、今日はきっといいことあるよ。
例えば、下駄箱の上履きが今朝はちゃんと行儀よく爪先を揃えて待ってる、とか。
教室に入ったらクラスの誰かに「おはよう!」って声をかけられる、とか。
頑張ってやっつけた英語の宿題、先生に当てられてもスラスラって答えられちゃう、とか。
でもって、お昼休みに「寺島さんって頭がいいのね。今度のテスト、みんなで集まって一緒に勉強しない?」ってクラスメートから誘われちゃったり、とか。
そしたら、美音子ちゃんは笑顔で答える。「うん、いいよ」って。
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