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終闇の儀式……相手を倒す……つまり息の根を止めるか降伏した後に行われる現実世界に戻る前の闇の儀式。
生き残る為に二人は協力し戦っていた。攻めは夜髪 輝魅、守りは通夜輿 慕。攻守の取れた絶妙の組み合わせ……相手が何人でも二人に勝てる者はいなかった。
しかし……非情になりきれない輝魅。襲い来る敵と戦う事は出来てもとどめが刺せない……敵を追い詰めても最後に必ず躊躇する。だから彼女の代わりに降伏しない敵のとどめは毎回慕が刺すようになった。
その方法は窒息死。強固な泡の中に閉じ込められた瀕死の相手は次第に呼吸出来なくなり成す術も無く力尽きて行く。
負けを認めれば戦わずとも戦闘を終え終闇の儀式に移る事は出来る。しかし、すべてを……負ければ命まで奪われる戦いに自ら降伏する者などほとんどいない……皆、命尽きるまで戦おうとする。だから慕は命を奪う、とどめを刺す。
だが、敵を倒し終わっても戦いの場にいた者すべてに決着が付かなければ戦いは終わらない。勝者は常に一人。最後の一人が残った時点で倒した相手のいる者はその相手をどうするか決められる。命を含めた欲しいものを奪うか、それとも何も取らずに現実世界に返すか。
終闇の戦いで受けた傷や破壊された物は現実世界になんの影響も与えない……全ては夢、幻。悪魔が作り出す終闇の祭りの参加者だけが入れる特殊な場所……現実世界によく似た仮想世界のような場所で戦いは行われる。戦いに参加した者が現実世界で影響を受ける場合は終闇の儀式で勝者が何を奪うかによる。記憶や感情……金……地位……体……命にいたるまで全ては勝者の思いのままに出来た。
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