泡と炎

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「嫌……私は決めたわ。あなたとはもう組めない。人殺しももうしたくない……だから……」 殺意……輝魅の目の中に暗い殺意が芽生える。 「あなたと戦うわ……慕……今日限りであなたとの関係は終わりよ。」 慕の目の前に突き出された輝魅の右手……その右手から突如として激しく炎が噴き出す。炎は腕を包み込み渦を巻くように膨らんで行く…… 「闇夜より来たれ紅蓮の炎……我に力を……焼き……滅ぼし…すべてを業火の海へ沈めよ……」 輝魅の眼前に握られた燃え盛る拳……いつの間にか炎の中の拳には鋭い棘がいくつも付いた禍々しい鋼鉄のグローブが嵌められている。 「裂き……砕き……苦痛を与えよ。鋼鉄なる毒拳……炎より熱い……刃より鋭い……敵を屠り去る力を我に。」 「呪歌式成……炎華毒拳。The end of darkness……helldog poisonous flame。」 輝魅が呪文のようなものを言い終わると拳に嵌められたグローブの棘から濃い紫色の毒素が噴き出す。それは常に拳から噴き出している炎と混じり合い、赤と紫が混在する気味の悪い色の炎を作り出した……
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