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「戦え……そして奪え……勝者には喜びを、敗者には絶望を。金も……命も……地位も……肉体も……記憶や感情でさえ……すべては勝者の思いのままだ。」
ある日、現れた悪魔は告げた。選ばれし者が参加出来る終闇の祭り……それが始まったのだと。悪魔は契約書を差し出しサインを求める。終闇の祭りへの参加……サインをすれば戦う為の力が与えられる。断れば永遠の闇の底に閉じ込められたままになると……
……光る巨大な泡のような形をした悪魔は通夜輿 慕と契約した。
紫と赤のどす黒い炎を全身から噴き上げる女の悪魔は夜髪 輝魅と契約する。
悪魔は告げた。
期間は十年……その間に死なずに生き残れば一つだけ願いを叶える。
戦い奪い生き残れ……その為の力は与えると。
戦う為の様々な条件も悪魔は教えてくれた……戦うには負の感情……それを他の契約者にぶつければ自分に適した攻撃の為の力が発揮出来る。
もし戦う意思が無く、終闇の戦いを避けようとしても挑まれれば拒否は出来ない。そして一度戦いが始まれば決着が付くまでやめる事は決して出来ない。
戦いに参加出来るのは力を持つ契約者だけ。
悪魔の差し出す書類にサインをして契約者となった二人は日常の世界に戻された。信じられない話……今のは夢?それとも幻覚?冷静に考えれば悪魔などいるわけが無い。
しかし…その期待はすぐに裏切られる。
現れた敵……顔も知らない初めて会う人間がなんのためらいも無く襲い来る。
金を……若い体を奪いたいという理由、説得も交渉も通用しない。元は普通の人間だった彼等は悪鬼となり一切の良心を持たずにただ奪う為に非情の刃を向けて来たのだ。
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