一本の電話

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耳を疑った。 きっと晃くんの冗談だと思った。 そう思いたかった。 言葉にならなかった。 嘘であって欲しい。 私の嫌な思いが囁いた。 なんで今日、今! そんな事を言うんだろう。 絶対に今日会う事を知っていて、 わざと電話をかけてきて 言ってきたんじゃないか? ‥‥と。 晃くんに悪気がないのはわかっていた。 それでも何故か無性に腹が立った。 あの人に会う前にそんな話聞きたくなかった。 あの人から直接聞きたかった。 それで今までの事も 全て納得できた。 だから連絡が取れなくなったんだ‥‥ あの人に私の気持ちを伝える前に もうあの人の隣で笑う事は出来ないんだ‥‥と思った。 あの人に会う前に 私はフラれた‥。
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