神界

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薄暗い神殿の最も奥、王の間に1人の男と女が会話をしていた 男は王座に座り、女は部屋の入口で立っている 果てしなく広い、この王の間に男女が2人。 言葉がでなければ一気に静まり返り、また言葉が出ていれば、その声が部屋全体に響きわたる 「ロキを神界へ連れ戻せ」 男が口を開く。女はそれに対し答える 「ですが、彼は貴方が人間界へ追放したではないですか?」 「ふむ。気が変わった。とでも言おうか。何にせよ、私の使いのお前に言う必要は無い」 「そうですか。わかりました。しばらく時間を頂けますか?」 男は肘をつき、しばらく考える そしてもう一度 口を開く 「そうだな。人間界で言う1週間で探しだし連れて来い」 「わかりました。では行ってまいります。オーディン様」 そう言い終わると 女は一礼をし、後ろにある10mほどの巨大なドアを片手で開け部屋を出た。 一人になった男、オーディンは頭を抱え、ため息をつき、誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。 「何としてでも世界の崩壊、『ラグナロク』だけは防がねば……」
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