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そこは闇の広がった世界だった。
多分行き止まりのない、どこまでも広がった世界だろう
と緋埜耶(ひのや)は感じていた。
そしてどこか懐かしい感じもする。
すると、どこからか
ひとつの炎が現れた。
「なんだ?!」
眼を凝らして見ると、炎の中から一匹の狐が現れた。
狐はよく漫画に出てきそうな尾が9つある奴だ。
俗に九尾と呼んでいる。
九尾は緋埜耶に近づいてきた。
あわてて後退りするが、しりもちをついてしまう。
怖い…というより不思議な雰囲気に呑まれそうだ。
『見つけた…私の―』
そう言って九尾は、炎を纏い、緋埜耶に突っ込んできた。
必死に逃げようとしたが、それも無駄なあがき。
緋埜耶はその炎に包まれ、意識を失った。
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