5/8
前へ
/82ページ
次へ
ドアをノックする音を 音楽を聴きながらも 緋埜耶は聞き取った。 「玲於だろ?入れよ。」 扉が開き、玲於が入ってきた。 「兄貴ー…行く気なくしたろう?」  玲於は困った顔をした。 せっかく久しぶりに登校する気になっていたのになー。 とため息をつく。 「あのクソ親父のせいで行く気うせたわ。 わりーな。」 「わかった。じゃあオレは行ってくるね。」 そう言って玲於はドアノブに手を掛けたが、何かを思い出し緋埜耶に向き直った。 「そうそう!兄貴ー。オレ、面白い夢見たさー!帰ったら話すな!」 と言ってニカっと笑った。 「そーいえば…オレも見た気がする…。思い出しとくよ。」 嬉しそうに玲於は行って来ますをし、部屋から出た。 緋埜耶も始終嬉しそうに笑っていた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加