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以前の保護者会で、モリーからサラのいじめによる被害を聞いていたヘレンは、サラの学校生活に気をつかってくれていた。サラが"普通とは違う"ということも、何となく理解することはあっても、深く追求することもなく今日に至る。
今日も今日とて、朝から失礼だとわかっていても、電話せずにはいられなかった。
そこには、サラが立っていた。
「サラ……。もー。やっぱり忘れ物?」
電話のコール音が響く。
半ば呆れつつ、突然背後に現れた娘の悪ふざけに多少驚きながらモリーは受話器を手にとり、サラに「ちょっと待ってね 」と小声で言い、電話の相手と話し始める。
「はい」
『あ、もしもし?朝早くすみません。私、サラちゃんの担任のヘレンと申します』
「先生?」
『実はサラちゃんのことなんですが……』
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