Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~ episode.1 憎しみ

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あまりの絶望に股から液体が流れてきた。 次いで涙が溢れてきた。 母親(モリー)の側まで行き、ただ寝ているだけだ。揺すれば起きてくれるという淡い希望を抱きながら、サラはか細い声で自分の母親を呼び始めた。 「ママ……ねぇ……起きてよ……ママ……。 ……ねぇ起きて………………。 ~~~~~!!!! 起きてよ~~。やだよぉ~~~~……一人はやだよぉ~~~~。ねぇ起きてよ……………………ママ」 モリーは動かない。 わかりきっていたことだった。 もう死んでいるのだと、子供なりに理解してしまった。 サラは泣いた。 ただ泣いた。泣くだけ泣いた。 おそらく一生分泣き続けたと思われる。 幼い顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。 こんなにも悲しいのに、母親は起きてくれない。 今この時より、サラ・フィーラスの、人生の大半が意味を失った。 その様子を一部始終、遠く離れたビルの屋上から双眼鏡で観察している者がいた。あの少女である。 双眼鏡の下からこぼれる笑みと涙が見える。涙が出るほどその状況がたまらなかったらしい。 モリーの死を見るのが嫌で、耐えきれなくて、認めたくなくて、サラは動かないモリーの体を覆えるほどの布を被せた。
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