Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~ episode.1 憎しみ

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時刻は、夜の八時半。 賑やかなアメリカも、少しずつその喧噪を失くしていく時間帯。 夜の繁華とは違い、静まり返ったサラ達の家の、街の光を遮断する閉め切られたカーテン。そこからおぼろげにこぼれてくる微かなネオンの残滓が、暗いリビングを照らす。 サラはリビングの、自分の特等席であるソファーの上でうずくまって肩を震わせていた。 何もできなかった自分を何度も責め、自問自答を繰り返して尚、どうしてこんな事になったのか。 その答だけがどうしても浮かばない。何度も何度も。自責という迷路に迷い込んだ者の末路が、今のサラだった。 ふいに玄関のチャイムが鳴ったので、涙を拭いて(それでも泣き腫らした顔は隠せなかった)玄関に向かいドアを開けた。 玄関の外にはコワモテの男が二人。二人とも確実に十人は殺してそうな顔だった。 「お父さんかお母さんはいるかい?オジョウチャン」 手前にいる男がサラに話しかける。母親は二人の男からは見えない位置へ運んだ。 サラはゆっくりと静かに首を横に振る。 「そっか……ならしょうがねぇや。じゃあ親御さんに伝えといてくれや。お父さんの借金の肩代わりによぉ、この家明日から差し押さえっから」
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