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部屋の中央に楕円型のマットと四角い小さなテーブル。
部屋の入口正面奥には木造デスクのセットが設置されている。
部屋に二つある窓は、左側に一つと、デスクの正面にあるカーテンが閉まっている窓。
部屋の間取りや雰囲気は越してきたばかりなため、家具などに少々飾り気がないが、中々上等な一室となっている。
「ふー、やっと着いた」
全ての部屋の電気を点けながら男が言う。
「おー、中々広いじゃん」
男が荷物を床に置きながら一息つく。
しかしサラには一息ついている暇などない。まず必ずしなければならないことがあるからだ。
「ここ、私のベッド!」
───フ、勝った。
部屋に着いて油断したなミスターお人好し。完全に私の早勝ちだ。
ベッドに飛び乗ってねっころがり、寝るスペースを確保した。
もう、ホント、盗塁して一点奪取した気分だ。
……という心の声が聞こえてきそうなサラの勢いは、彼女の無邪気さと自由奔放さを誇張している。
「おいおい」
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