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元気よく張り切るサラの眼にわずかに嬉し涙という名の雫が光っていた。
その数日後、ハリーは、薄型で最新型のノートパソコンを購入し、日夜何かやっていた。
どうやらハリーはサラが寝ている間にもパソコンで何かやっているようで、夜中パソコンの明かりが煌々と点いている前でハリーが画面に向かっているところを、サラは何度か見たことがあった。
もっとも、多少眩しくても大した追求はせず、サラは寝返りをうって再び眠りに入る。
同居人として、相手への最低限の礼儀は尽くさなければならない。
それがわかっているからこそ、サラはハリーがパソコンで何をしているのかまでは知ろうとはしなかった。
ある日、ハリーがアルバイトを探して出かけている間に、サラはハリーのパソコンをいじってやろうとすると何故か急に電源が消えたり、ショートしたり、いたずらしているところを見つかったりと、パソコンに関してはサラは相性が悪いようだ。
いや触れただけでこうなのだから、サラと相性が悪いのは電子機械全般であると言える。
そしてさらに月日が経ち、サラがハリーの部屋のベッドの上で本を読んでいると、ハリーが仕事をもって帰ってきた。
「おかえりなさい」
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