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「あぁ、ただいま」
その出迎えの言葉を受けてハリーは、まるで夫婦みたいな会話だなと内心笑った。
「今日はどうしたの?」
本を読んでいたサラが問い掛けてくる。
「ん?何が?」
「いや、随分遅かったから」
いつもより遅い時間に帰ってきたハリーを心配してか、読みかけていた本も閉じてサラは会話を続ける。
「あぁ、ようやく仕事をもらってきたんだよ」
デスクに荷物を置きながらハリーは言う。
サラの眼に、ハリーは少し疲れているように見えた。
「家にいながらでもできるSOHOっていう仕事でね。パソコンを使って会社の仕事を家でやるんだ」
「会社の仕事を、家で……?」
イマイチよくわからないサラは、ハリーのSOHOという言葉の意味をよく理解できなかった。
SOHOとは、『スモールオフィス/ホームオフィス』の略称であり、パソコンなどの通信機器を用いて自宅などでビジネスをする事業のことである。
家庭の事情や、仕事場との距離が遠かったりする人がよく使うシステムだ。
「フゥン……そのそーほーっていうのと、その買い物袋は何か関係があるの?」
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