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「うん!とっても楽しそうね!それ!」
仕事を探して出かけるハリーがこれからは常に自分の側にいてくれる。
そんな胸高まる期待感がサラをさらにハイテンションへと導く。
「じゃあさ、じゃあさ!お仕事決まったお祝いに今日はお外で食事しない!?」
そんなサラの提案をハリーは微笑みながら受け入れたかと思えば、ハリーは別の提案を出した。
「いや、そんな仕事が決まったから、なんてのよりもっと重要な事で祝わなけゃならないことがあるよ」
突然の言葉にサラは、せっかくのハイテンションを一瞬くじかれる。
「え?何なの?」
首を傾げるサラを見て、ハリーはやっぱりなとでもいうような、ちょっと意地悪い笑みを浮かべた。
「やっぱり忘れてたな。ほら、カレンダーみなよ。今日は四月五日」
「あ!そうか!私の誕生───」
───しまった。
ハリーは瞬時にそう悟った。
それと同時に目の前の小さな女の子の顔がみるみる青ざめていく。
サラは床に崩れるように座り込み、頭を抱え、ふさぎ込むようにして震えだし、泣きながら奇声に似た悲鳴をあげ始めた。
「いやああぁあぁあああぁ!!!!やめてええぇぇええぇ!!!!!」
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