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ドロリと地面にある、人のカタチをした何か。後からやってきたあの少女に睨まれるとこうなってしまうのか。男達の中から「こんなの聞いてねえぞ」という声があがる。
そしてそれはすぐさま恐怖へと変わろうとして、男達は思考を遮断された。
一人、また一人と、サラの周りにいた男達はウィラの右側にいた男を残し、糸が切れたマリオネットのように破裂して倒れていく。
だが。
〔!?……私が……外した〕
周りの男全てを狙ったはずが、まだ生きている男がいる。
まだ躊躇があるのか。
馬鹿な。迷いなどあるはずがない。
だってここに来る前に決めたから。
───私は、ハリーの仇をとるために何人でも殺すと。
乾いた笑い声が公園中に響き渡る。
ジャングルジムが吹き飛び、男達が一人を残し死んだ後で静寂を取り戻した夜の公園に、再び血塗られた幕が開こうとしていた。
「話し合いに来たっていうのに、酷い事する子ねぇ」
〔……この子……〕
不気味なオーラを纏わせるウィラは、あれだけの惨劇を目の当たりにして、全く動じていない。むしろ楽しんでいるように見える。
「仕方ないなぁ……それにしても、もっと綺麗に片付けられないの?例えば、こんな風に……」
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