蒼穹の彼方

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  『固まるお前を見て、俺達は一緒に居すぎたんじゃないかと思った』  そうだな。俺達、いつも一緒だった。ずっと近くに居すぎて、だから気づかなかったんだ。  こんなにも、失えない存在だったなんて……  もっと早く俺が気づいていれば、今もまだ俺達はあのまま何事もなく、一緒にいられたのかな。  緑にぃは今も変わらず、俺の左側を埋めてくれていたのかな。 『だから俺は、旅に出ようと思った。少し離れてみようと思ったんだ』  離れすぎだよ。いったいどこまで行ってんだよ。  俺を置いて、どこまで……  レンズ越しに見つめる精彩を欠いた視界の中で、焼けたアスファルトが途切れ、むき出しの土に変わる。  鬱蒼(うっそう)と繁った木々に囲まれ、黒く湿った土と下草。それをゆっくりと踏み締め、奥へと足を進めた。
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