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まあり「ここは…」
渋谷に連れてこられた場所は、まありが一番知っている場所だった。
っていうより、場所だけ教えてくれたら行けるのに;
渋谷「あいつ、いつもここで勉強してんの」
背伸びしなくても、戸のガラスから中の様子を見る渋谷。
まありは、背伸びをして中を覗きこんだ。
それは、見たことのない真面目な顔をして勉強をしている景がいた。
机の上に参考書やら辞書を広げ、夢中にシャープペンシルを走らせている。
いつも、まありが座っていた図書室の机で…。
胸がキュゥっと締まる感覚がした。
去年の今頃は、同じ校舎の中、いつも景と一緒だった。
この図書室にも、たくさんの思い出がある。
初めて景が声をかけた場所…。
思い出がフラッシュバックのように、頭の中を駆け巡る。
そう思うと、今の景が遠くに感じた。
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