9人が本棚に入れています
本棚に追加
私は今日ある男を殺す。
この部屋の鍵を平然と開け
愛しいはずの私の元へ
のこのこと奴はやってくるはず。
いつから計画を考えてたのか。
一週間前ある女から電話があった。
「慰謝料を請求します」
そんな内容だった。
私には関係ない…なんて言えない。
私は知っててこの関係を続けた。
体だけの関係だと割り切っていたが、それだけじゃ物足りなくなった。
-----独占-----
したくなったのだ。
私だけの『もの』に。
いや、私だけの『人』になって欲しくなった。
3日前丁度貴方がこの部屋に入ってくる時
私はさも今検査をしたかの様に
「貴方!赤ちゃん…出来たみたいなの!!」
と、なんでもない普通の棒を振り回して喜んでみせた。
今でも覚えている。
喜んでなかった貴方の顔。
無理もない、同じ時期に二人も赤ちゃんが出来るんだもの。
大変よね貴方って。
もうそろそろ奴が来る。
私のお腹に一つも命を宿っていない事など知らずに
貴方は私を 殺しに 来る。
外は雨。
外は雨。
最初のコメントを投稿しよう!