短小説2

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短小説2

「貴方の恋人浮気してるわよ」 20分前、いきなり非通知で掛かって来た電話の内容。 それは女の声だった。 一瞬の事で分からぬまま電話が切れた。 気にしないと考える程、最近の彼の態度や行動が気になる。 でもそれは彼が今現在仕事で大きなプロジェクトに関わる様になった為で、『女』という線で気になる事じゃなかった。 私は一体誰が非通知を掛けてきて、そんな悪戯みたいな事をするのだろうとそれから1時間位考えていたのだった…。 『そう言えばこの前女と歩いてたけどあの人は秘書の鈴木さんで…』 『でも彼を信用しなきゃだめよね?…』 『もう長い付き合いになるんだし、今更疑うのもね…彼に悪いわね…』 「どう?今のでいいかしら?」 女は携帯をテーブルに置き、ベットに寝そべる男に股がった。 「それで何もなかったらお手上げだよ」 男は女の長い髪を愛しそうに触れる。 「いつになったら別れてくれるの?」 女は面倒そうに男の顔を見つめる。 「そうだな…今頃考えてるんじゃないかな。俺との別れを」 「それ前にも言ってたけど?」 「俺が好きなのは鈴木さん、君だけだから」 「んもぅ、でもこんな関係の方が燃えるわ」 それから男と女は激しく抱き合い、朝まで愛しあった。 恋人を疑う事を毎回止める彼女 自分の口から真実を言えない彼氏 誰かのものという立場の男にだけ燃える女 誰が一番辛い思いをするのか 彼女? いいえ、意外に男なんです。 これから先は貴方が考え想像してください。
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