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暑くて寝苦しくて、目を覚ました。
「え!?」
周りはなぜか、火の海だった。
この状況がわからなかった。
「パパ、ママ!」
横で寝ているふたりをゆすって起こす。
「大変よ!」
わたしのあわてた声に、ようやくふたりは起きる。
「なに!?」
ふたりは燃え盛る炎を見つめて、戸惑う。
「とにかくここから出よう!」
パパの声にわたしたちは立ち上がり、玄関に向かおうとする。
しかし。
炎はなにかの生き物のように玄関の扉を舐めつくし、とてもではないけど通れるとは思えない。
パパは舌打ちをして、窓を見る。
まだこちらはどうにか逃げることができそうだった。
パパは窓辺にかかったカーテンを引っ張ってわたしにかぶせた。
「ちぃ、まずはおまえから逃げろ」
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