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「遂に、動かれるのですね…。」
「月白(つきしろ)…。」
椿の後ろ、如月の隣にいつの間にか立っていた青年。
月白はお久しぶりです、と頭を下げた。
「えぇ。桜の仇は必ず討つわ。ごめんなさいね…貴方達にはもう、平和に生きて欲しかったのに…。」
「我等はこの時を待っておりました。貴女様の意志は我等の意志。」
「貴女様が望むのなら我等は貴女様の為に命をも捧げましょう。」
鳳と螢が言うと皆がうなづく。
椿は目を伏せる。
「本当はね…、お前達を巻き込みたくはなかったのよ。」
「迷われてはいけません、椿様。これは我等の意志なのです。」
燕が言うと、朧が微笑む。
「椿様と桜様がいなければ、我等は此処にはおりませんでした。桜様が亡くなった今、我等の主は椿様ただ一人。貴女様についていく事が我等の幸福なのです。」
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