―双―

2/3
1735人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
「はぁ…。」 もう何度ため息をついたことだろう。 「どうした?お前がため息つくなんて珍しいな。」 「鶫(つぐみ)…いたの?」 自分の後ろに立っていた男、『鶫』 頭をかきながら横に立った。 「早いな…。もう五年になるのか。」 そう言って鶫は空を見上げる。 目の前には無縁仏の墓。花など一輪もたむけられてはいなかった。 「そろそろ動くのか、『椿』…?」 .
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!