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…うわ、びっくりした;あれは確か壬生浪の沖田だったか。血の匂いを気付かれなくて良かった…。
ホッと息をつく女性。名は椿。さっき沖田とぶつかった女性である。
こんな所で壬生浪なんかに捕まる訳にはいかないのよ…。
椿が歩を進めようとした時、1人の青年が椿にそっと話し掛けた。
「…沙依様、お待ちしておりました。こちらです…。」
『沙依』は椿の偽名である。
「有難う、如月(きさらぎ)…。」
フッと微笑むと如月という青年の後を追った。
如月に案内され、着いた1件の旅籠。通された部屋の襖を開けると、椿は微笑む。
「皆…、久しぶりね。」
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