131人が本棚に入れています
本棚に追加
「なあ、ジーナっ!くねくねダンス見せてよっ」
「ジーナって面白いよな!芸人になれると思う」
「ジーナって異性感じさせないよなー」
いつだってそうだ。
私はこんな性格だから、異性なんて感じさせないらしく、笑われたり、ふざけたり、そんなキャラでしかなかった。
自分でわかっているからこそ、人に言われることは辛くて…
「はあ、」
そんな自分のキャラクターに疲れてきて、ため息もしばしば…
そんな時、一人の男の子が決まって私に声をかけてくれる。
「また無理したの?」
「あ、瀬南っ」
私が辛くなった時は、絶対と言っていいほど隣に来てくれる。
そして必ずと言っていいほど、オレンジジュースを手渡してくれる。
「はい、オレンジジュース」
ほらね?笑
「ありがと」
「いえいえっ」
瀬南のその笑顔を見たら、疲れた心も気持ちもすごく癒されてしまう。
そんな瀬南にいつしか惹かれてった。
「無理しちゃダメだって言ったのに」
「無理してないよーんっ」
「もうー…」
瀬南が心配な言葉をかけてくれてるのに、素直に甘えきれない私は、本当に可愛くない。
私のばか。
「女の子なんだからさ、無理しちゃダメなの。たまには僕に弱音吐いてもいいのに」
「…え?」
「頼りないかもしれないけどね」
力なく笑う瀬南をただ見つめることしか出来なかった。
“女の子なんだから”
その言葉が嬉しくて、なんだか恥ずかしくて、もう少し素直になってみようって思えたの。
そうすれば、私のこと好きになってくれるかな?
「うははっ」
「なんか元気になった」
―おんなのこ扱い―
(あなたが初めてしてくれた)
→
最初のコメントを投稿しよう!