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「政宗様、朝ですぞ、
朝餉の準備が出来ております。」
「おう」
襖を開け、政宗の世話役をしている
男の名は、片倉小十郎。
「ん?何だ沙織、早いな」
「はい、お早うございます片倉様」
女中の仕事をしながら、沙織も政宗の世話役として日々働いていた。
(はあ~…今日も仕事が山積み‥まだ慣れないなぁ
しかも政宗様、突然戦に行くなんて言い出して、
もし大怪我でもしたら‥‥。)
「……い、おい、沙織、沙織。」
「っあ‥な、何でしょうか政宗様!?」
「お前も食うか?茶漬け」
「私はもう済ませました、お心遣い有り難く頂戴させて頂きます。」
「ったく堅苦しいな。もう少し素直に話したらどうだ?」
「私は女中ですからね。」
「関係ねえだろ。」
「関係なくは…」
「ゴホン、そんなことより政宗様、文(フミ)も何通か書かなくてはならないのですから、早く食べて仕事をなさって下さい」
「んな怒るなよ小十郎。明日の準備もあるんだ、お前も刀の手入れしとけよ。」
「ええ、分かっています、ですから貴方様は今日は一日部屋で仕事を…」
「ああ、分かった分かった。沙織と散歩してからな。」
「っな!?政宗様っ!!!何処にっ!!沙織まで!!!」
「っえ//」
(ちがっ‥私は無理矢理抱き抱えられて連れ去れてるんですけどーっ!!?)
「…っ…はあ…行ってしまわれた
仕方ない、また後で説教だな。」
いつものように頭を抱えて小十郎は畑仕事へと戻っていったのだった
「あの…良かったんですか?片倉様からまたお説教を受けますよ?」
「いいんだよ。仕事よりお前と一緒に居たいんだ」
「‥っ////」
(この人はいつもそうやってあっさりと恥ずかしい事を…)
「…奥州筆頭…か…
んな大層な人間じゃねえんだけどな、俺は。」
「…」
(この人は軍を仕切る一番偉い方
皆からは筆頭と呼ばれ
片倉様は政宗様の背中を預けられていて、
二人共凄く強い人だそうだ
一緒に働いている女中に聞いた)
(しかも、政宗様にはもう一つ名があって、
『独眼竜』
と言われているらしい‥。)
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