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(この人は小さいころ、右目を失くし
そのせいで暗くなってしまった性格を直す為
片倉様が‥一時も政宗様から離れず、
世話をし続けて、
今に至り、強く、
逞しい存在にまで成長した。)
(だから片倉様は。
政宗様にとって兄であり父のような存在でもあるんだ。
まだ此処に来て四ヶ月ぐらいしか経っていないけど、
私はまだ沢山、政宗様の事が知りたい…し、
この人に、近付きたい。)
「沙織?」
「…はい?」
「明日は戦に行って居ないが、留守は任せたぞ?」
「はい。気をつけて下さいね政宗様。
あまり無理をしないように、片倉様にも言っておくので。」
「…はあ~…
小十郎にはあんまり言うなよ?
アイツは一言いうと、長くなるからな」
「いいじゃないですか。」
「NO,よかねえよ。」
(この時間が、何時(イツ)しか
私は好きになった
今まで好きな事なんて何一つやってきた事ないから)
(それに、何よりその幸せな一時をいつも与えて下さる政宗様が、私は…)
「…沙織、何か言っておきたい事はあるか?」
「そうですねー…
あっ、政宗様の好きな物が知りたいです!」
「…OK。‥質問な。
好きな物か…。
強いて言えば、煙草(キセル)と酒だな
特に戦った後の酒は絶品だぜ?
今度沙織も一緒に飲もうな」
「はい、是非‥。」
(十九歳で、しかも一国の主…なんて
片倉様に初めて聞いた時、驚いたっけ…)
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