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顔を冷水で洗い、髪を適当に直して居間に向かう。
「どう? 目がさめた?」
「ああ。目玉焼きとパンか」
食卓の上にはトーストと目玉焼きが乗っていた。
神裂は春菜の向かい側に座る。
「うん、一番簡単だもん。じゃいただきます」
と食べ始める春菜。
彼女は学校の制服を既に着ていた。
昨日飛行機で目を通した学校案内によると、私立高のためか上はYシャツを着ていて指定のズボン(女子はスカート&赤色のリボン)さえ守っていれば、あとは自由という学校だった。
自由だから荒れている生徒が多いと思われがちだが、実際そんなことはなく自身で制服をカスタマイズするレベルだ。
ちなみに春菜はYシャツの上から普通に制服を着ていた。
あまりこだわらないのかもしれない。
(……別にいいけど)
神裂は指定はされてないが、一応学校のブレザーを頼んでいる。
それなりのデザインなブレザーのため生徒には人気とか。
「なんでこんなに早いかっていうと、先生になるべく早く連れて来いって言われてて」
「そうか……」
ハムスターのように口に食べ物をつめて、頷く神裂。
食べ終わった神裂は急かされるまま制服に着替えてみる。
ライムグリーンのラインが入ったブレザーは中々珍しいものだ。
「んっ……すごくいいよ、カッコいい!」
若干、顔を赤くしながら春菜が感想を言う。
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