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視線を浴び続けて玄関ホールにつく。
「じゃあ職員室で中山っていう先生を探してみて。ここを左にいけば職員室に着くから」
そう言って春菜は手を振りながら階段を登っていった。
早口で言われて、ポカンッとする神裂。
とりあえず職員室に行けばいいかと鉄製の下駄箱の上に靴を置き、持ってきた上履きを履く。
(……ここを左か。あったあった)
玄関ホールを左に曲がるとすぐに職員室が見つかる。
その奥には保健室、図書室と続いていた。
「……失礼します」
神裂は静かに職員室に入る。
「あっ、もしかして転校生の神裂くん?」
一番手前にいた女教師が神裂に気づいた。
「……はい」
手に持っていたカップを机に置き女教師は、
「私は中山 知弦(なかやま ちづる)。あなたのクラスの担任よ」
春菜の言っていた先生である。
「どうも」
中山先生はおそらく美人の方に入る顔立ちだが、なんせ淡い黒髪はボサボサで整っていなかった。
あまり容姿に興味がないのだろう。
だが素が高いため男子生徒に人気だろうなと適当に感づける神裂。
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