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「?」
荷解きは明日することにして、一階に降りてきた神裂は、台所についているカウンターに封筒があることに気づく。
中に手紙が入っていて、春菜の母親からの書き置きだった。
「透ちゃんへ
手短に書き留めます。和室に学校に行くための物を揃えてあるわ。
詳しくは春菜に聞いてください。
そしてこれは透ちゃんのお父さんから『透が十六歳になったら渡してくれ』と頼まれたものよ~。
じゃあ、春菜をよろしくお願いしますね~
おばさんより」
(封筒の奥に……これか?)
出てきたのは携帯電話。
スライド式で、円盤のようなものがついていてⅩⅢと彫られているのが特徴的だ。
とりあえず試しにボタンを押してみると電源が入っていたらしく、ディスプレイが光った。
しばらく数字の羅列が連なった後にポーンと電子音が響き、
『解析完了。貴方をⅩⅢ番の契約者と認めます』と機械的な女の声が。
怪しい携帯電話だが、操作してみると普通の物だった。
本来カメラであるはずのメニュー画面が空白になっていること以外は。
「こいつは一体………」
そういえば、頼まれたと春菜の母親は言っていた。
だが神裂は父親の事をほとんど知らない。
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