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4/12(月)
転校初日の輝かしい朝――の予定である。
「……て」
まだ夢心地の神裂の耳に、声が聞こえてくる。
(誰だ……?)
「……きてってば」
きっと叔母だろう、そう考えた神裂は寝返りをうち、
「あと少しだけ……」
「もう……」
声の主は半ばあきれてる様子だ。
(おかしい。だって……)
神裂は異変に気づく。
引越したため、今は叔父叔母どちらともいないこと。
昨日、鍵をしっかりしめたこと。
そこまで考えて、冷水をかけられた時ぐらいの速さで目が覚める神裂。
立ち上がろうとするものの、寝起きの頭は上手く働かず仰向けに倒れてしまう。
見上げるようにして側にいた人物を確認する。
そこにいたのは――
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