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『近ずくなこの化け物っ!!』
「っ!?」
ユウナの叫びにヴェインは肩をびくっとさせる
「ちょっと!ウチら仲間でしょ!?ひどいじゃない!」
「ユウナちゃん…止めてよ‥私、やだよこんな事っ」
涙目でユウナの方を見るニケとフィロ。その言葉にユウナは目を細める
『黙れっ…』
貴様等に私の何が分かるっ…!?
「僕達そんなに頼り無いかなっ?そんなに信じられないかなっ…!?」
ヴェインのその一言でユウナの何かが切れた
『仲間だ?信じてるだ?ふざけるなっ!!』
「!!?(全員)」
お前のせいで私はっ!……私は消えるというのに何を信じろと、お前の何を信じろというのだ!!
『お前がぐずぐずしてるせいでこんな事になったんだっ!!今更お前に期待を裏切られた私にそんな言葉…っ!そんなに私が哀れか!?』
「違う!僕は…!」
つかつかと歩み寄ってヴェインの胸ぐらをつかみあげる
「ぐっ…!」
『マナならっ…願いを叶えるマナならさっさと役目を果たせ!!死にたいんなら一人で死ねばいいだろうっ!!』
「っ!!?」
「おい、やめろ!」
『そうやって嘆いている間にも時間は過ぎていってるんだ!!お前のせいで私は本当の世界に帰るというのにっ!!なのにお前はっ…!!!』
「それ以上はやめろ!ユウナ!!」
呼ぶな…私を呼ぶな!コイツのせいでっ…!!
「僕は…もうやめたんだ、お願いだよ‥ユウナ!こんな事もうやめて…!」
『何でそんな無責任なこと言うんだ…!?何で叶えてくれない!?どうして!?分からない!ずっとみんなといたらいけないの!?それとも……みんな私が嫌いだから…?』
「違う…違うんだよ‥!」
『テオフラトゥスはっ…何でこんな奴造ったんだ…』
少女は嘆いた『何故私が消えなければならないのか』と
出来るものなら
ずっとみんなと一緒に変わらぬ日々を過ごしたかった
そして少女は静かにこの世界で涙を流した。
-end-
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