プロローグ ~記憶の中の約束と~

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「ねぇ……」 「何?」 「さっきの約束、絶対?」 「うん。だって、僕がそうしたいし」 「本当に本当?」 「本当だよ。約束したんだから、そっちこそ守ってよね?」 「うん。私も」 見た事ある公園のブランコに座る二人の小さな男の子と女の子 仲良さそうに何かを約束している それをいくらか離れたところから見ている『今』の自分が居る あの時の約束……………………もう、果たせないんだね…… 自分の口から無意識に出た言葉。 胸が苦しくなる感覚に身体を呑み込まれた瞬間、見えていたモノ全てが消えて、次の刹那には見慣れた天井が映る。 「……………何で、今更あんな夢なんか……」 汗に濡れた髪を掻き上げる 時計で時間を確認すると朝の4時、そろそろ起きて一階に降りていかないといけない。 妹の由香里の朝練を遅れさせる訳にはいかないから
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