第一章 王の群れ

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夕暮れ時、一つの狼の群れが人里に降りてきた。林の中から十個もの鋭い眼光が人里を捉えていた 「…今日の狙いは奴だ」 「おっ、美味そうな牛じゃねぇか」 「でも良いのか?人間のものに手を出してさ…」 「私達は生きる為に獲物を狩る。この場合、致し方あるまい…」 灰色の狼は人間の住家を眺め、作戦を練る。そして、 「よし、お前達はここで待機しろ。私とブランカで追い立て、柵から出す。ここまで追い込んだなら…あとは分かるな?」 「分かった。無茶するなよ」 「分かっている。行くぞブランカ!」 「はい!」 灰色の狼は白い狼を連れ、無防備の獲物へ近付く
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