第一章 王の群れ

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「ブランカ、お前はここで待て。私が中に入り、奴を外へ追い出す。あとは私とお前で、先程の場所まで追い込む」 「分かりました。気をつけて…」 「あぁ…行ってくる」 灰色の狼は白い狼を少し離れた岩陰に留まらせ、一人で柵の中へ侵入した。そして……狼の咆哮と共に柵の中が騒がしくなり、一頭の牛が柵を破り、出てきた。その後ろにはあの灰色の狼が一定の距離を保ちつつ、ぴったりとついている 「ブランカ!」 「はい!」 灰色の狼の声に応えるかのように、岩陰から白い狼が出て来た。獲物の牛は更に驚き、灰色の狼の思惑にはまっていった
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