第一章 王の群れ

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「皆の者、かかれ!」 灰色の狼が咆哮を上げ、仲間達が一斉に獲物に襲い掛かる。牛は成す術がなく、ただただ彼等の餌になるしかなかった 「へっ、ちょろいもんだぜ」 「皆の者、すぐにこれを持ち帰っていろ。私には最後の仕上げが残っている」 灰色の狼は再び人間の住家の方を見る。そこには数匹の猟犬が放たれ、こちらに向かっているのが見えた 「分かったぜ。いつものように軽~く、片付けて帰って来いよ?」 「分かっている」 そう言って灰色の狼は仲間とは逆の方へ走り、猟犬達を挑発する 「さぁ猟犬共、私を捕まえてみるがいい!!」
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