第Ⅱ話

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 3日前、俺は最愛の彼女を亡くした。交通事故で。  それをイズの母親からの連絡で知って慌てて駆け付けた病院で、イズをはねたオッサンは土下座していた。本当に普通のオッサンやった。過ぎ行く日常中でなら、すれ違ったって記憶に残らないような。  あぁ、今思えば、やっぱり一発ぐらい殴らせてもらうべきやったかもしれへん。だけどイズの家族は、済んだことですから、と冷静だったし、俺がでばる訳にもいかなかった。  それで、今日は葬式に行ってきて、イズの両親にもお姉さんにも会うてきた。なんや逆に励まされてしもうて、そんなに俺は酷い顔をしとんのやろか、とか思いながら帰ってきてみれば。  玄関前に、おった。何がって、イズがや。  いやいやいや、ありえへん、これはありえへんって!幻や!と俺が自分に言い聞かせとったら、なんとその幻、俺に向かってしゃべりよった。 「折角私は此処にいるって言うのに、それはあんまりなんじゃない、ひーちゃん?」と。  『ひーちゃん』なんて俺を呼ぶのは、イズだけや。  そして俺は、フリーズした。   *  *
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