第Ⅱ話

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  *  *  イズが幽霊になって戻ってきたんや、と俺は思った。普通なら信じられない。だけど、うざいと言われたことも、確信に至った理由の1つやった。俺にうざいなんて言えるのはイズぐらいだし、もしこれがそう望んだ俺の妄想だとしても、そうだとは信じたくなかったのかもしれない。  まあとりあえず、俺がそこで気になったんは、他の人には見えるんか?っちゅーことと、壁や何かを通り抜けられるのか?っちゅーこと。せやから近くのコンビニまで行って、誰か他の人間の反応を見ようと思った。  リビングを出て歩き出した廊下でふと思いついたことを、玄関のドアで実践してみた。イズがドアを通り抜けられるかどうかを試してみたんや。したら何の音もせぇへんかったもののドアからにょっきり手や顔なんかが出てくることは無かったからドアを開けてみたら、しりもちついたイズがおった。  いきなり驚かせてすまんかったなーと思うて、立つのを手伝おうと何気無く手を差しだす。と、唐突に気付いたことには。  イズが物に触れるんやったら、俺とも触れ合える!  喜びがかすめた。
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