第Ⅲ話

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「おはよーさん、イズ」  ずっと見ていたのか、私が起きたことに気付いたひーちゃんが微笑んで言った。 「おはよ、ひーちゃん」  返すとひーちゃんは立ち上がって、「飯作ってくる」とキッチンの方へ向かった。  何だか普通すぎる、と漠然と思った。朝目を開けると大好きな人がいて、おはようと笑いかけてくれる。まるで泊まりに来た時みたいだ。だけど私は今、そういうことをしていた時とは違う。  私は幽霊だ。これはさっきも確認したこと。   *  *  *
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