第Ⅲ話

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 学校で会うことなんて滅多になくて、会う……ううん、見るのは久しぶりだったんだけど……片桐くん、更に男前になったなぁ。  そんなことを二人の沈黙の内に考えていると、片桐くんが口を開いた。 「……イズの葬式以来だな」 「……あぁ」  そっか、片桐くんもきてくれたんだ。これって、「ありがとう」って言うところだよね?  だから私は、ありがとうって。片桐くんに向かって微笑んだ。そうしたら。  目が、合った。……気がした。  というかなんか、凝視されてるような……?!  そしてそのまま、また沈黙。今度のそれを破ったのは、ひーちゃんだった。 「何や片桐、用があって呼び止めたんちゃうん?俺、これから授業あるんやけど」  すると片桐くんは我に返ったように、 「……あぁ、俺もそうだ。だが少し話があるから、昼、一緒に食わねぇか?」  提案した。それに対してひーちゃんは、にやりと笑った。 「片桐のおごりならええで」 「何だ、図々しいところは相変わらずだな。けどまぁ、いいだろう。用があるのは俺だからな」 「おおきに。てか言ってみるもんやなぁ。……じゃあまた後でな、片桐」 「あぁ」  それからひーちゃんは歩き出して、私はさっきのように、いつものように、その少し後ろを付いていった。  背中にまだ、片桐くんの視線を感じているような気がした。   *  *  *
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