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明日香は仁王立ちで二人を見つめていた。
「お前ら騒がしいぞ! ここは更衣室なんだ! 速やかに着替えることができないのか!」
広い体育館であろうと狭い更衣室であろうと変わらぬ声量で怒鳴る明日香。
二人はおぞましい声を聞きようやく自分達の世界から周りの世界を見ることができた。いつの間にか周りの視線は自分達に向けられており二人とも顔を赤らめる。
「よし、静かになったな! いいか、お前ら。ケンカもいいけど周りを見ろよ!」
「「……はい」」
二人は反省しきった様子で小さく返事をする。それを見た明日香は満足した顔をして
「うむ。そしたら私は戻るぞ!」
そう言い残して更衣室を去っていく。更衣室にはしばしの間、静寂が訪れたが、誰とはなしに話し声が始まりいつもの更衣室に戻る。二人もそれぞれ着替えるために別の場所に移った。
これがキツネとタヌキの初めての出会いだった。
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